11/10/2006

腐敗番付け、それとも清廉番付け?

さる7日、本部をベルリンに置く、国際的に汚職・腐敗防止のために活動するNGOトランスペアレンシー・インターナショナルは、2006年度の「腐敗認識指数(CPI)ランキング」を発表した。

去年21位だった日本が17位に昇進して、アメリカは17位から20位に落ち、そして中国は70番に付けた。

このニュースの中国のでの報道振りを王暁峰は自分のブログ「不許聯想」の中で、悪フサゲにも程があると評した。

さすが王暁峰!ご指摘の通り、色々チェックしてみると、中国国内メディアは、中国が去年の78位から70位に上昇したことを大変に喜んでおり、嬉々とお祝いしているのではないか!

「78位から70位に大躍進」と順位の上昇を強調、さらには中国共産党の党内整頓が功を奏したとさっそく中国当局を褒め称えている。

しかもなぜか、トランスペアレンシー・インターナショナルが発表したのは「腐敗認識指数Corruption Perceptions Index)(CPI)」のランキングなのに、中国の報道はこれを「清廉指数」と訳しているのだ。

こんな報道の仕方は、まさに臭い物に蓋をしようとしているが、結局数字は全てを語っているのである。

評価対象国の163ヶ国の中で、70位で果たして清廉と言えるのか?この順位の「上昇」も、結局は他国が去年より悪くなったというケースも考えられるので、自国の努力と何の関係もないことだってありえる。

しかも、何か客観的な参考はないのかと考えれば、台湾のケースはもってこいなのである。ここ何ヶ月、台湾では大統領の陳水扁やその夫人、家族の汚職問題で揺れに揺れていた。にも拘らず、台湾は当のランク付けの中で34位なのだ。

これを参照して考えると、70位の国の腐敗度は相当なものであろう。

その傍証として、同NGOが同じ日に発表した「主要輸出国30カ国の2006年贈賄指数(BPI=Bribery Payment Index)」の中では、中国は30ヶ国で、ロシアと最下位のインドに挟まれて、29位にしっかり収まっている。

こちらについての中国の報道は、どこにも見当たらない。

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