12/28/2006

地震でネット障害、そしてブロガーたちは

台湾南部の地震による海底ケーブルの損傷で、台湾や中国をはじめとするアジア各国で27日、国際電話やインターネットがつながりにくくなるなどの影響が出た。

台湾の中央通信が通信会社の中華電信の話として伝えたところによると、主要な4つの国際海底ケーブルのうち2つは使用不能の状態。同日午前の段階で台湾からの電話がつながる率は米国向けが40%、日本が10%、中国大陸が10-15%にとどまっている。中華電信はケーブル修復に2、3週間かかるとしている。

韓国では回線障害の影響で、国内のシティバンクとHSBCで現金自動預払機(ATM)、ネットバンキングの機能がまひ。韓国外換銀行と国民銀行でも、ソウルの本店と中国やオーストラリアなどにある支店の通信に障害が発生した。

香港では域外への電話などがほとんどつながらなくなり、インターネットを使った株取引に影響が出た。北京市内の大学講師(29)は「朝からネット検索がまったくできなくなった」と語った。

ベトナムに駐在するホンダベトナムの社員は「日本との直接回線を使用しているテレビ会議ができず、28日に延期になった」と話した。(共同)

このニュースに一番敏感なのは、やはり日ごろ活躍しているブロガーたちだった。

海外サイトへのアクセスが中断してすぐに、中国政府によるGFWの強化、ないしはテストだという憶測が流れた。

中国で活躍するアメリカ人ブロガーは故障中の第一声に:No panic, it is not the internet censor who stops you from viewing your favorite websites this morning, but most likely yesterday's earthquake near to Taiwan.とある。やはり最初は疑っていたのだ。

和菜頭は、この故障をSARSの逆バージョンと捉え、SARSは人々を実生活からネット社会へ追う込み、今回はネットから離れて、実社会へ入り込む隙を与えてくれたと評する一方、Sinaネットが人々にProxyサーバーの使い方を教えることに喜んだ。なぜなら、Proxyは平常時、ネット検閲の回避には有効なのである。

何事も笑い飛ばそうとする王小峰は相変わらず皮肉たっぷりだ。彼が曰く「何事も慣れなんだ。今のうちに所管部門が外へのアクセスを遮断すればいいのに、折角のチャンスだ。きっとそのうちに皆は慣れる。」と。

12/25/2006

雷鋒ブランドのゴム

一昔、「雷鋒」は共産党が統治下の社会主義中国の道徳的象徴であった。

貧しい農民の家から、解放軍に入隊した彼は、『毛沢東語録』を常に携行し、暇さえあればその学習に精を出してた。

毛沢東思想を習得し、消化した彼は、貧乏な人にはお金を寄付するなど、様々な良い行いを実践した。

ある時、自動車運転手である彼は任務中に、何故か倒れた電柱の下敷きに...

彼の身辺整理に当たった戦友が彼の日記を読んでみると、あらま、『毛沢東語録』の学習した感想と、自らやった善行が詳らかに記録されてあった...

一夜にして、彼は全国人民の模範とされ、毛沢東と時の右腕だった林彪の大号令の下で、中国人は競うって善人になろうと様々な良い行いをした。

自分としては、「雷鋒叔父さんに学ぼう」というキャンペーン中で、(中学校の)同級生が親からもらった小遣いの一部を拾得物として先生に差出、先生に褒められたという記憶が未だに残ってる。

彼は生前、色んな講演も行っていた。その内容の大半は、国民党時代の生活苦の記憶や、共産主義制度の優越性を謳えていた。しかし、その講演の中では、自分の母ちゃんの死に方に関する記述さえ数通りあって、ゴロゴロ変わっていた。

時が流れ、「雷鋒叔父さん」は過去の人。今や中国のBBSでは、その死因までもが皮肉られ、「本当は間抜けなヘマをしたんじゃない」と。

極め付きはこれ、「雷鋒コンドーム」。使う者は皆善人だということか。

値段はというと12元で3個入り、ほかのブランドより物によっては、数倍高い。

「雷鋒」が象徴する共産主義精神は何処に...

密かに思うが、あの時代にして、あの風潮の中で、「雷鋒叔父さん」は死ぬまで童貞だった可能性は無限大。

張芸謀のフェッチ志向が変わった

映画監督張芸謀




















張芸謀による2004年五輪アテネ五輪閉幕式の演出
















張芸謀新作映画『黄金甲』の主役コン・リー




























































アカデミー賞を狙って、劇作家曹禺の『雷雨』をヒントに創られた大作だが、米国ではR級指定。

一部の評者は、殺戮の現場だった広場を花で覆い尽くす発想に1989年の6.4事件に思いを馳せる。

まあ、さすが農民的審美を代言する張芸謀。ロリコンの足フェッチから大人の巨乳へ、多少は健康的になったかも。

12/17/2006

『不許聯想』の王小峰がタイム誌に載る

中国人ブログの王 小峰がタイム誌の恒例記事「Person of the Year」に取り上げられました。

Wang Xiaofeng
Bart Simpson In Beijing

By LEV GROSSMAN

Posted Saturday, Dec. 16, 2006

"Chinese people don't do irony like Israelis and the English," says Wang Xiaofeng. "They don't have that making-fun-of-yourself gene." In China the blogosphere is dominated by the dronings of millions of earnest diarists, and there are still many things that can't be said in the mainstream media. Wang, however, enjoys making fun of art, culture, politics—everything that Chinese people are supposed to hold dear. Serious critiques of social problems or political leaders can still be dangerous in China, but serious isn't Wang's style. He might be the most respected blogger in China, precisely because he respects almost nothing.

Wang's site gets about 12,000 visitors a day. It's plastered with pictures of the Simpsons—Wang is a fan of the show, and he likes to think he looks like Bart—but there's also a bit of Borat in him too. He has posted fabricated interviews and deliberately misleading surveys. Some people call him a cynic or a liberal; some people call him names that are shocking even by online standards of incivility.

But labels don't really fit Wang. He doesn't like isms and movements and refuses to join groups or parties. He doesn't have some big, catchall solution. "There's nothing that can be done about a lot of things in China," he says. "Most of what people do on the Internet is complain. At least we have a place to blow off some steam."

Copyright © 2006 Time Inc.

12/14/2006

中国外交官の飲酒運転検査回避策

フランス新聞社ソウル発:中国外交官の一人は火曜の夜、乗用車のドアをロックし、車内で八時間半に亘って自閉、以って警官の飲酒運転テストを拒否した。韓国警察当局が水曜日に開示した情報によると、火曜の夜韓国警官の検問に引っ掛かっり、アルコール反応テストを受けるさせよとした。この外交官はテストを拒んだ上で身分証明の提出を拒否、ほかの三人の同乗者と車内に閉じこもり、水曜の朝になって、韓国外務省と中国大使館の斡旋でやっと解放された。

後に、中国外交官は韓国警察に証明書と事故上申書の提出を承諾し、現場を離れた。中国大使館はこれを双方の「誤解」とし、当外交官の飲酒運転を否認している。

「酔っ払って韓国も自国も分別できなくなったのでは」と中国のインターネット掲示板はコメント。

うん、十分あり得る。

12/11/2006

中国全国婦人連合会の否定は何を意味するのか

先日このブログで、「香港の『明報』の報道によれば、前回の深圳の街頭キャンペーンについて、中国婦人連合会は人権侵害と法律無視として、中国公安部に抗議し、当局は地元担当幹部の責任追及が始まっているところだ。」という一説を引用したが、これはどうも誤報だった。

12月7日、『中国青年報』の取材に対し、連合会責任者は「全国婦人連合会はこの事件に対し態度を表明した事はなく、海外報道は道端のデマに過ぎず、無責任の極みである。当連合会はこれまで意見をしたことはないし、今も意見する積もりがない、公安部に内部抗議云々はなおさらあり得ない。」と、抗議したことをきっぱり否認した上で、抗議そのものの正当性さえ否定しているのである。

抗議が事実であるなら、それは中国の法治観念の進歩であり、自らの法を守る姿勢の表れであるにも係わらず、この否定は一体なにを意味するのであろう。

中国婦人連合会の規程には、「婦人の権益を代表、保護する」の文言が明記されており、今回の場合、その規程は無視されただけではなく、中国婦人連合会は人権侵害を黙視、黙認した上で、深圳公安当局の違法措置に賛同する意志を公にしたのである。

法治がなくして、中国は「大国」への道を歩んでおり、忌々しく思わないほうが無理な話だ。

12/07/2006

一度あることは二度ある



中国の司法機関の法律意識と人権意識の薄さを象徴する出来事として、11月29日の深圳での買春撲滅キャンペーンを取り上げたが、今度は河南省の省都鄭州市でまた同じようなことが起きた。

12月5日、市の公安当局は納税拒否をした二人を公開逮捕し、当事者をトラックに載せ、街中を練り歩いた。

逮捕されたのは馬と任の二人で、馬は飲食店を経営、任はその店の従業員である。

罪状は脱税のほか、徴税に来た税務員に対し、包丁を手に脅したとのこと。

法律に従って納税するのは市民の義務であることは言うまでもないが、公安当局がおこなったこのような時代を逆行するデモストレションは法律の尊厳を守るところか、法律を執行する者の法律観念のなさを浮き彫りにしている。

香港の『明報』の報道によれば、前回の深圳の街頭キャンペーンについて、中国婦人連合会は人権侵害と法律無視として、中国公安部に抗議し、当局は地元担当幹部の責任追及が始まっているところだ。

12/01/2006

和諧社会なら百姓は禁欲しなければいけないのか?情色六月天主犯の無期懲役について

注:今月(11月)22日、山西省太原市地方裁判所は、「情色六月天」というアダルト動画サイトの経営者一味に対し、判決を言い渡した。主犯格の陳輝が無期懲役になり、各方面の反響を呼んでいる。中でも、性行為を専門とする社会学者の李銀河(小説家王小波の未亡人)は、該当分野の法整備の妥当性に疑問を投げかけている。

ネチゼンの間でも、本件は中国政府のインターネットの自由度を狭める傾向に警戒し、厳罰主義に基づく判決に不満な声が多数上がっている。怒りに満ちた本文作者もその一人で、文中法律に関する見解に不備な点も見受けられるが、一般人の平均的な見方を凝縮している。


特に注目すべきなのは、中国社会の風俗の無秩序な現状、及び官民の感情対立、さらには貧富の格差に対する描写は今日の中国社会の矛盾を浮き彫りにしている。


国中にその名を轟かせた「情色六月天」案の主犯が無期懲役に処され、政治権利の終身剥奪が宣告された。この量刑は、死刑のない国においては死刑を意味し、廿一世紀においては受け入れがたい判決であり、法律の意味での判決ではなく、道徳的な判決である。この判決は智慧の欠けた判決であり、自己欺瞞的な判決である。今日の中国において、全国の「小姐」(売春婦)は現に千万単位で存在し、数十万の風俗店も営業されている。毎日これらの風俗店に出入りする男女も数千万を数え、コンドームが堂々と五つ星ホテルのトイレに配布され、アダルト商品店が全国の津々浦々の遍在、お妾を飼うのも一種の生活様式になりつつある。これらの状況はインターネットが百姓の家庭に普及する前から周知の事実なのだ。さらに、中国のおよそあらゆる都市に事実上の風俗街も存在しているこの現状の下で、アダルトサイトの運営者を無期懲役に処する道理は何処にある?彼による危害は街に遍在するサウナ浴場と風俗床屋よりも大きいというのか?彼の稼ぎはサウナ浴場と高級夜総会(クラブ)のボスたちよりも多いのか?何を以って「情状特別厳重」というの?(彼のサイトの)エロ画像を見て強姦を犯した人は居たか?見て自殺自害した人でも居たのか?

この判決は根拠のない判決であり、当事者に対して、司法の大きな不公平を課している。なぜならこの判決は現実を顧みないで、曖昧な法律条文に基づいている。今日の現実に照らし合わせてみれば、もっと智慧のある判決が下されるべきだが、残念ながら、中国ではこのような案件の場合、裁判所は毎々にして潜在意識に元でもっとも厳しい処罰手段を用いており、新しい形態の犯罪に対して、当事者に酌量することは稀である。中国では判例主義を採用していないにしても、この判決は間違いなく今後の類似案件に顕著な影響を与える。

中国の現状を見れば、風俗産業は存在するだけではなく、準合法状態にもなっており、真剣に取り締まれば、まず中国の牢獄に犯人は入り切れるかどうかも問題だ。このように億万人が関連の法律を犯している中、法律が極少数の非運者しか罰さないのだったら、この法律の実質な意味は何処にある?中国の法律の着眼すべき所は、何で同じく汚職であっでも、数百万の金額の者は死刑で、億単位のやつは無期で済んでしまう;あるいは県の党書記は交通警察を殴っても無事で、民間人は同じことをしたら公務執行妨害になる;車の致死事故を起こしでも、同じようなケースで全国各地に執行猶予と死刑即執行に分かれるような奇妙な裁判なのだ。これらの現状は、中国の法律は完全に黙視している。

今や適当にCDショップに入ればアダルト盤が入手でき、人々の性に対する受容レベルも一昔と大分違っている。元をいえば、性に対する認識と態度は完全に個人生活レベルの問題だ。政府が過当にこの領域に対する干渉、一定の性的観念を植え付けるのは賢明ではないのである。エロ画像や動画の経営は、結局営利を目的としており、経済行為である。経済手段での処罰を以って解決するべき問題であって、もっとも厳しい法律手段で厳罰主義な判決で臨むべきではない。

あざ笑いを禁じえないことに、中国の法学者はこの事件に対して集団的に黙り込んでいる。嘗ての劉涌(遼寧省鉄嶺市のマフィア首謀)の案件では、およそ全国の優秀な弁護士が弁護団を結成し、案件を幾度も引っ繰り返し、最高裁が表に出て収束するに至る。一昨年の馬加爵(雲南省の貧乏大学生殺人犯)の案件の場合も、弁護士たちは跳梁し、逮捕当日に数千里の道のりで馬の家に無料弁護委任状を乞う輩まで出現した。なぜだ?眼の効く人なら判るだろうが、劉涌の場合は金が、馬加爵の場合は名声が得られるのだ。これらの個別な通常刑事案件と比べて、今回の案件の場合は将来にわたって類似案件にもっと深い影響を与えるのが明らかにも係わらずにだ。中国の法律家たちは、嘗て汚職などの経済犯罪に極刑は避けるべきだと叫んでいたが、いまのこの生々しい案例は典型的な経済案件(判決の罪名は猥褻物伝播営利罪)であるのに、当事者は死刑相当な判決(この罪名の最高刑罰)を受けている。ならば、この判決を引っ繰り返そうじゃないか。

買春する人の中で大半は公職に付くものだ、百姓にはエロ画像を見る事もいけないのか?そういう欲求を満たされないまま死ぬべきなのか?判決というのは官僚たちのやる事だが、買春したことのない裁判官は何人いるの?エロ画像を見た事ない人は何人?

今や億元単位の汚職でも死刑執行猶予しかならないのだ!

和諧社会は百姓の禁欲と金持ちの淫乱の上で成立つものなのか? 

原文

11/30/2006

深圳の買春防止キャンペーン

なにやら「和諧社会」の樹立には法律だけでは物足りないらしい。

年末も近づき、深圳の警察当局は地元の「和諧」のために、買春撲滅キャンペーンを実施、その成果は10名の香港人を含む167人を逮捕。

29日、買春犯罪が頻発する上沙、下沙と沙嘴の境に当たる地点で公開裁判が行われた。

法治の整えた文明社会からは遠く離れた光景である。

文革時代と違っているのはマスクの着用が許されたことだけ。







肝魂お妾さん

中国の腐敗官僚や汚職した重役に「二奶」(お妾さん)は付き物。

それにしてもこの中国対外建設総公司深圳分公司の総経理、姚傳鋭の「二奶」劉倩はやはり群を抜いている。

なんと、汚職が発覚され、北京のホテルで拘置されている姚傳鋭の身柄奪還作戦を指揮し、敢行したのである。

この事件は中国社会の「黒幇化」(マフィア化)の一端をよく表している。

呆気なく逮捕され、法廷に立たされているミッション参加者の面々をご覧あれ。

11/29/2006

「和諧権」「実名制」そして『大国堀起』

「和諧権」という言葉がこのごろ中国のインターネット上で良く見かけるようになった。

中国全人代常務委員でもある中国政法大学教授の徐顕明氏が提起した人権に関する新しい概念だそうで、本人によれば、これは「第四代人権」なる概念で、その実践は「人権発展の歴史的な新しい段階を作り出す」とその発案された意味をさらに強調する。

「和諧」とは、現代中国語的な語意的に、「睦まじい」、「調和のとれた」という状態を表す言葉である。従って、「和諧権」を文面的な日本語に訳した途端に理解できなくなる。「睦まじい権利」、「調和のとれる権利」なんぞやそれ。

肝心な中身を検討して見よう。徐氏によれば、「所謂人権は、一定の社会的、歴史的条件下においての人々がその本質と尊厳に遵って有する又は有すべき基本権利である。」この規定自体中で、「その本質と尊厳に遵って」の下りは既に理解に苦しむ文言になっており、なにやら言いたい事はある程度分かるという文面になっている。

「和諧権は、公的権力が人々を適切に取り扱うことを要求すると同時に、人々が自分の権利を主張する時に、自律の尺度を加え、即ち他人の人権に対する尊重を自分の人権行使の義務と考え、公共利益の実現を自分の人権行使の責任と認識、さらには人類の全体の立場に立って自然を適切に扱うことを人権の発展する道徳な限度で考えなければならない。」

「人権」という単語がこの短い文章に何回も出て来るが、肝心の主旨は見て分かるように、人権行使の義務、責任そして限度なのである。正直なところ、こんな文章を読んで、この政法大学教授の専門を調べる気力すら涌かない。なぜなら、この「和諧権」は法律で定める国民の権利とはとっても思えないし、こんな思想はとっても近代的な法学者の思想とは到底考えられないのである。

中国の人権問題を巡っては、嘗て西側の指摘をかわすために、何新という学者を中心に発案された、中国の特殊性を強調した「生存権」や、「発展権」と云った概念が度々用いられる。これらの概念に関しては、人権とは別ものだとしても、一応「権利」として認められないわけでもない。今回のこの「和諧権」は権利ではなく、義務なのだ。「和諧権」を行使することは、即ち「和諧しろう」ということではなかろうか。

問題なのは、この「和諧権」は提案として議論されている段階に止まっていることではなく、このような憲法無視とも言うべく動きは最近益々活発になっている。その最たるものは「ブログ実名制」である。

「ブログ実名制」は囁かされてから激しい反発を招いているが、遂に実行されることになった。 

今月19日、「中国インターネット協会業界自律工作委員会」秘書長の楊君佐氏が、ブログ実名制の確定を発表した。ニックネームを使うことは認めるとしながら、ブログの開設には身分確認が必要になることが情報産業省によって決められたことを確認した。

いわば言論と表現の自由に係わる重大な事柄が、立法機関の手続きを経ずに実施されようということについて、楊氏は「言論の自由は相対的なものである」、さらには実名制によるネット上の悪言中傷、ないしはプライバシイの侵害を防ぐためだと説明している。

こうした論調は憲法の任意解釈のおそれがあるだけではなく、インターネットユーザーに対して有罪推断を行っているのではなかろうか。

人権には義務を課す、自由には限度があると言い、国民の知る権利はGFWによって激しく侵害されている中、真の「和諧社会」(調和のとれた社会)は果たして樹立されるだろうか。

前回触れた『大国堀起』の上映が中国政府の世界の大国になる意思を表しているのであれば、少なくとも基本人権に対する任意解釈、行政による憲法無視を根絶し、国民の知る権利を大いに保障すべきなのである。

民意を無視した一時的な便法は国の根幹を揺るがし、政権中枢の孤立を招く結果にしかならないことは明白である。

11/27/2006

『大国堀起』について

『大国堀起』なるドキュメントリー番組が中国中央テレビで放映され、論議を呼んでいる。その内容は欧米列強及び日本の15世紀以後の発展の軌跡を辿り、背景と原因を探るというものだ。

11月13日から24日にわたって放映されたこの番組は、昨今の中国の現実を照らし合わせて見ると、やはり異様である。 

特に注目すべきことは、中国政府を代表するメディアがこの番組に対する評価。

『人民日報』のネット版である人民網は、18日に早速紹介文を掲載、この番組の重要性を強調している。

「今日の中国は、中華民族の偉大なる復興の道を歩んでいる。広大な土地、膨大な人口と悠久な歴史を持つ中国の富強は人類発展史上の重大事件を作り出すであろう。と同時にこの過程は深く中国社会を改め、世界の局面に影響を及ぼす。近代以来の160年の追いかけの末、世界は中国の声を再び聞こえるようになり、新中国成立してから、特に改革開放してからのこの30年間の変貌を経て、我々に自信と余裕を持ってこの世界に立ち、自国の強国の道を模索できるようになった。」

さらに、この紹介文は番組の制作背景にも触れている。

「2003年11月、中共中央政治局は第九回目の勉強会を行ったが、この勉強会は広く注目された。勉強会の内容は:世界の9ヶ国の15世紀以来の興起の歴史であった。それからも、こうした歴史の勉強は各階級の政党部門で行われた。」

因みに、その9ヶ国とはポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、ロシア、米国である。

最後に、この紹介文は、「歴史が我々の未来の道を照らせよう」と結んでいる。

なるほど、この番組は中国国民に、大国の国民になる心構えを植え付けようとしているのではなかろうか。

しかしながら、資本主義の発展の歴史は、市民が王制から権利を獲得して行く過程でもあり、民意の支持がなければ、大国なんぞありえないのだ。

案の定というべきが、その日本に関する第七回を見た。明治天皇への権力の集中が強調された外、渋沢栄一の重商主義や、福沢諭吉の脱亜入欧論が取り上げている。

一方、明治国家建設に伴う国民の苦しみや犠牲、その反抗の結果とも言うべき地券の発行、松平正義らの民意重視と公平精神などは一切触れていないのである。

腐敗や不正が横行、各地での土地の取り上げが抗争を引き起こしている一方、言論の自由が厳しき制限されている中、「即今民心を得るをもって、要とするよりほかはけっしてこれなし」――こうした松平正義の言葉こそは、今の中国政府に一番必要なアドバイスではなかろか。

11/22/2006

壁を倒そう!北朝鮮人に帰郷を!by 和菜頭

この世には本来そんな壁は存在しなかった。聖職者が現れ、そして森厳たる城壁が造られた。聖職者が次から次へと現れ、城壁も益々長大になる。城壁が存在するところには、天国の到来が告げられ、外の世界は悪竜や妖怪、人面獣で装飾され、人々は震えながら講壇の下で塊り、直ちに救われることを信じ、壁こそ天国と人間界の境だと認識させられる。

今日の北朝鮮はこうした城壁に囲まれており、歴史は輪廻し、我々から見た北朝鮮人は、一昔の我々自身を見ているようだ。我々は苦く笑い、気まずく追憶する。我々は朝鮮に対する態度はどうなっているだろう、私は常に疑問を感じる。この大陸の歴史上、強い帝国が生まれるたびに、「高麗征服」が主要な課題となる。我々は「上国」の気持ちで朝鮮に臨み、大量な金銭と人命を費やし、この北方の隣国の運命を左右してきた。朝鮮は歴史上我々と平等になったことはなく、我々はかの国を平等な隣国として見ることはなかった。時に幼い弟として、時には息子として扱った。

北朝鮮が今日の局面になったのは、いろんな複雑な歴史的要因があるが、我々による影響が小さかったとは言い難いことである。逃亡する難民たちは、その結果の一端に過ぎない。一つの国にこんなに沢山の難民を生み出し、難民たちが隣国に流れ込み、糾弾すべきは越境の罪ではないのである。呪い叱るべき対象は難民を作り出した張本人である!恥ずべきは襤褸を着て餓えに耐える者ではなく、人民を餓えさせ家族を離散させる者である!

三十数年前、我らも東南の沿海に死体を数里にわたって浮かべらせたことがあり、大勢の人が浮き輪一つで香港に向かった。聞くところによれば、そんな時代だと中環に入るまでに警官に捕われなければ、その人は在留資格が得られる。私はこうした香港物語は沢山聞いてきた。若し香港に行く機会があれば、私はビクトリア湾にも、シー・ワールドにも行かなくでもいい、中環には必ず行き、そんな場所をこの目で確かめたいと思う。

今日の北朝鮮人たちも逃亡の道を歩んでいるが、どうして治外法権があるはずの大使館に入っても救われないのだ?彼らにとっての「中環」はどこにある?我々が嘗て三十八度線で彼らに塀を造り、それは彼ら人民の要求だと言い聞かされている。現在、その人民は南の国へ帰還したいと願っており、なぜそれが許されないのだ?国と国の間での交際には法律に従うべきだが、その法律の一寸した隙間には微塵たる人間性の光も飾られないのか?

我らは黒竜江で北朝鮮人を捕まえ、吉林で朝鮮人を捕まえ、遼寧で朝鮮人を捕まえ、そして河北でも北朝鮮人を捕まえたことはともかく、数千キロにもわたって捕まえなかった人々に対して、最後の100メートルの時にもなって、微々たる憐れみをなんで与えられないのか?数千キロの追いかけの末、国際的な道義的には主権国家の義務を既に尽くしたのだ。どうしてこの最後の100メートルで、少しは人間性に対して関心を払い、人道主義の精神を具現化できないのだ?

人間がオリンピックでメードルを取るためなら、距離が長くでも四十何キロ走れば済むが、家族を携え、北朝鮮の国境警備隊の銃口の下を潜り抜け、数千キロを彷徨う彼らが求めるのはただの一口の飯である。にも係わらずだ、彼らを待っているのは又しも銃口だ。彼らを待つ運命は依然として、強制送還と生き地獄の労働教養院行き、これは残忍すぎだのではなかろうか?

あるドイツの観光映画を見た時、私をもっとも震撼させたのはベルリンの壁に関連した部分だ。東西ドイツを分断した境に川が流れる場所があり、西側の岸辺に、びっしりと西ドイツ人のボランティアたちの作った手摺が並び、布で親切に巻かれ、逃亡者が岸をより便利に登りあがるためだ。東側では林立する望楼と冷たい機銃以外、何もない。今やベルリンの壁は倒され、この川の岸辺の景色は、寓言として読むことができる。

北朝鮮の崩壊と滅亡はもはや多少の時間の問題、三十八度線上の壁も必ず倒れる。その日が来たときに、我々側の「岸」にはなにが残されるのか?世の人々が目にするのは一体どんなものであろう?

二00二年十二月十七日

とりあえず転載

WORLD NEWS! Protestors Converge on Chinese Embassy. The HSUS criticizes the mass slaughter of dogs and offers China an incentive for a more humane approach.

Now, in spite of all this, from November 7, 2006, the Beijing Municipal government will also start this massive dog killing campaign. Before that date, the Sino-African Beijing Summit will be held, thus, the Beijing municipal government is reluctant to distract the police power from the summit. It is hard to estimate how many dogs will be killed this time in this campaign. According to reliable sources, this dog killing campaign aims to engage all social forces; and this campaign will be coordinated directly within the government. According to the government’s plan, this “dog regulating work” will be phased in three stages.

We also have news that the Beijing dog keepers/guardians are ready to take on the streets at 11 o’clock on November 11, 2006 against the 35cm rule. It’s hard to tell the outcome of the demonstration. Moreover, from now till the day of the demonstration, many dogs will still lose their lives!

We pledge for your attention on the massive dog cull in Beijing and save them from this pitiful lot! Stopping the dog cull in Beijing can also educate the rest of the Chinese cities to prevent a national dog cull.

We have no idea what lead to this dog cull. If it's because of the Olympics, fearing that visitors may get infected with rabies, I'm sure you agree with me that the Olympic Games cannot and should not be an excuse or achieved through blood and murder!

I, representing all the dog keepers/guardians and those who love dogs so dearly, as well as everyone who appreciates life and peace, may they be in Beijing or anywhere else in the world, humbly ask for your help and consideration to do whatever you possibly can to end this.

Do spread the word and thank you,

P.S. We need the whole world to know about this. Please help...
http://www.care2.com/c2c/share/detail/213855
上記のリンク先には、犬を殺戮する悲惨な画像が含まれているため、ご注意を。

私をドイツと見なせ

奇しくも20世紀最後のノーベル文学賞を受賞したのはドイツの文学者ギュンター・グラスだった。氏は、第二次世界大戦中にナチスの武装親衛隊に所属、15歳の年に、彼既には潜水艦部隊に出願したが叶えず、17歳で徴集され、機甲化部隊に配属ソ連軍を迎え撃つべくドレスデンに配属されていた。

その彼は、こうした経歴が暴露された後、新作のBeim Hauten der Zwiebel (仮訳『玉葱の皮を剥きながら』)の中で、その禁断な経歴に触れ、「玉ねぎを剥く」ように過去を振返り、懺悔しながらも、良好な教育を受け、思想を持つ、主体性のあるドイツ人であればこそナチスに加担していると述べている。

2005年にローマ法王に選ばれたベネディクト16世と比べれば、ギュンター・グラスのこうした態度はそれなりに真摯的と言えよう。 青少年組織ヒトラー・ユーゲントに入っていた彼は、法王に決まる前、「入りたくなかったが、当時は仕方がなかった」と弁解した。

確かに、究極的なところ、人間は大きな時代の流れの中の身の処しかたについては、往々にして矛盾に満ち、それぞれの生存本能や価値観に左右され、時には誤った道を歩むこともある。

この二人の過去に対する態度を眺めていると、青春時代に読んだカール・ヤスパースの『哲学自伝』が脳裏に去来する。そして、遂に自分自身の運命の主になることの可能性について考えてしまう。

暗黒の時代に身を置かれ、ドイツに対する裏切り者呼ばわりされる中、ユダヤ人の妻を持つヤスパースは、妻の強制収容所送致に抵抗し続け、ナチスに対して、自殺も辞さぬ巍然たる態度で対抗し、自分の信念を守り通した。

「ドイツ人はなんだ?ドイツ人とは誰だ?1933年、私の妻はドイツユダヤ人であるゆえにドイツに裏切られ、その彼女が私よりも深く愛していたドイツを遂に拒絶してしまう時に、彼女が再びドイツを肯定するために、私は誇らしく彼女に告げた:私をドイツと見なせ、と。」

『哲学自伝』を読んだのは、1990年の春ごろ。その前の年に、北京の天安門広場で、同年代の中国人たちは祖国の未来を憂い、そして戦った。青春の熱血が戦車には勝てぬ、変革を求める抗議行動は悲劇に終わった。

そんな中で手に取ったヤスパースのこの本からは、暖かくも大きな力をもらった。

17年前の変革が挫折に帰した今日の中国は、まさしく混沌たる情勢の中にある。

「未来は人々が決断と行動を行う時の責任感に決められるもの、最終的には、億万人の中のそれぞれの個人の責任感に決められる。」とカール・ヤスパースはいう。

責任感を持って生きたカール・ヤスパースのいるドイツに祝福したい。そしてわが祖国にも。

11/20/2006

『西山会議講演録』 by 賀衛方

今年3月初めに、「中国マクロ経済と改革座談会」なる会議が北京郊外にある西山の杏林山荘で召集された。この会議の席上、中国法学界で人気の高い学者賀衛方、北京大学法学院教授は講話を発表し、非常に大きな反響を呼んだ。

この会議の記事録が会議終了後間もなく、海外の中国左翼WEBサイトに掲載され、賀衛方の発言を特に強調し、共産党打倒を図る言論として、中国共産党中央に検挙する動きを見せた。賀衛方教授も当時、いろんな方面から圧力を受けたと伝わってきていた。

11月8日、賀衛方は中国人気のBBSサイト「天涯」にて、『賀衛方3月4日講話定稿』を発表、自分のブログにもこの掲載を告示した。その内容は中国の近い将来を暗示する箇所が至るところに見られ、法学者であるだけに、中国の未来像を彼の講話からある程度伺えるといっても過言ではない。

逆に、中国がこの先、賀衛方教授らが示唆しているような方向かれ逸れ、集権的な政治体制を固め、民族主義、愛国主義に中国共産党がその政権の合法性基礎を求め続けるのであれば、中国は不幸な時代に逆戻り、この世界に大きな災難をもたらすこともあり得る。

賀衛方按:杏林山荘会議の後、会議の記録は一部のWEBサイトに流れ、広く論議を呼んだ。特に私の発言には大きな反響を呼び、「新西山会議事件」と呼ばれる始末だった。それらの批評――厳密に言えば大批判――の言語表現から見れば、私が講話の中で提起した課題に対し、今日の中国において理性的な論議を行うのは如何にも難しい。こうした重大な問題について実質的な論議ができない状況は、中国の前進を妨げる最大の障害の一つとも言える。

原始記録稿は速記者によるものなので、文字の誤りがただある。正確な意思を伝えるという意味においては、原稿に頼らない講話に幾つの推敲の必要な文句も含まれている。ここにおいて錯誤を訂正し、文句に幾つかの修正を加え、この最終稿にした。当時の発言が表す基本視点には些かの変化もない。

...我らには目標がある。この目標とは事実上現在では明言できないが、将来必ず歩む道である。多党制度、言論の自由しかり、この国の真の民主、本当の個人の自由、あるいは国家全体の権力は個人の自由を保障する基礎の上に成り立つこと、若しくは現在の台湾の政治体制になること。我々は中国がこの方向に歩むことを望んでいるが、明言できないのである。

...法治国家においては、基本的な原則が存在し、権力を行使する機構には、法律的な人格を具えていなければいけない、即ちそれは登記した法人でなければ、提訴と提訴される権利と資格はないのだ。しかし、わが国において、こうした条件を全然満たしていない政党(中国共産党)が存在する。我々がこの組織に参加し、私自身もこの組織に籍を置くこと早20数年、だがこの組織は登録していない政党である。とっても煩わしいことだ。こんな政党が行使する権力はどんな権力であろう?それは法外の権力である。深刻な違法行為だ。「法に依って国を治す」ってなんだ?胡錦涛同志は曰く、全国人民代表大会と各地方人民代表大会は、各種の憲法違反と法律違反を厳正に糾弾し是正しなければならないと。この組織(中国共産党)自体が行使 しているのが法律に基づいていない権力である限り、所謂憲法違反云々はナンセンスだ。

...続いて法治整備の幾つかの大きな課題を取り上げるが、限りある時間の中、要点の提示に止まる。

第一に指摘しなければ権力構造の厳重な混乱だ。現状は法治的なものでも、憲政的なものでもないのである。例えば党と議会の間の関係、党と司法の間の関係、党と政府の間の関係、こうした問題はもはや解決しなければ行けない時期に来ている。...最初に指摘しなければ行けない問題、それは権力構造全体が憲政に反することであり、もっとも深刻な問題である。

第二.人民代表大会自体の反議会的な体質。これは議会ではなく、年に一度の世界最大なパーティーだ。毎年のように皆が集まり、参政議政というが、実際には会議開催の前に決定した事項に対して「表決」するだけだ。つい先ほどショットメッセージを受信した、今回の人大会の会期が九日半に短縮したというが、私は一日でも必要がないと考える。人大会が如何に財政監督権を履行しているのかを見るだけで、これは議会ではないと断言できる。

第三.憲法第35条が規定する政治権利が普遍的に実現していないという事も深刻だ。結社の自由、デモの自由、宗教信仰の自由、こうした基本的な権利さえ実現できていない。憲法に羅列しただけで、具体的な実施の体制はなく、または具体的な法律や規定で憲法の条項を架空している。

第四.独立した司法体系の欠如。近年、我々の司法体系の地位は「穏やか」に落ちている。ちょっと前にも、周永康が最高裁判所を視察した際に、肖揚が周永康同志に職務内容を報告するとメディアは報じている。法治国家ならば、最高裁判所の裁判長が警察の長に職務内容を報告するなんで、冗談じゃない!どうしてこんな状況に陥ったといえば、十六回人民代表大会がこうした按排をしたからである。「十六大」は政治構造上に深刻な結果をもたらし、その最たるものは司法の独立が著しく欠け、近年、党が司法に対する干渉が絶えず強化され、弱化とは反対な方向に行っている。

第五.我々の政策が色んな部門から発せられ、益々混乱している。一例を挙げると、最高裁判所が、立ち退きに関する案件は裁判所が受理しないと言っている。案件を裁判所が受理するか否かは、法律が規定するものである。にも拘らず、わが国の裁判所は受理すべき案件を門前払いにしている。規則が混乱を極め、党の通達が法律を凌架している。

第六.民法の基礎は私有制度であり、特に農村の土地はそうである。続いて私有化を推し進めなければならない、土地の真の私有化を実現させなければならない。集団所有というどっちつかずの制度は止めなければ、農民に深刻な損害を与える。

第七.取引の安全を保障するのも重要な問題。取引の安全が保障されなければ、健全な発達した市場経済はありえない。この問題は司法の独立にも関連しており、独立した司法はなければ、裁判所が地方の行政権力に制限され、統一した基準で紛糾を判断できないのである。契約の条文に対する解釈が地元の有力者の態度を鑑みる状況下において、取引の安全は如何にして保障できるというのか?

要するに、経済改革は益々法治分野と緊密に関連してきており、我々はこうした傾向を認識した上で、このような会議は皆で手を携えて色んな仕事を共に進める必要性を感じさせてくれる。

追記:この掲載文は発表当初からかなりの反響を呼び、激しく論戦の末、発表されて21時間後に、コメント機能が閉鎖されている。

11/19/2006

テレスクリーンはOnにしたまま

今月12日頃、Wikipedia中国語版の解禁が報じられた。

当時から、私はそれが非常に胡散臭いと思い、国内にいる友人と一緒に確かめてみた、その結果、中国政府に不都合な項目、例えば「六・四事件」とかへのアクセスはやはり阻止されていた。しかし、その項目の中にある写真へのアクセスは出来てた。

米国国営VOA放送も、16日に中国語版Wikipediaの解禁を報じた。

そして次の日、17日にはなんと、Wikipedia中国語版へのアクセスは再び全面禁止となった。中国本土にいる人々にとって、Wikipedia中国語版は、もう一回存在しなくなったのだ。

良く調べてみると、なにやら、2003年9月から着工した「金盾プロジェクト」(Golden Shell Project)が、11月16日に、一期目の工事が終了したと言うのだ。と言う事は、やっぱりWikipedia中国語版の限定解禁を試してみて、結局本番ではそれを諦め、全面封鎖にしたのじゃないか。

報道されたところによると、現在完成した部分でも、警察官100名に40台のPCが割り当てられる事になっている。

40台も!何でそんなに必要なんだ? 何もこんなところで贅沢しなくでも...

キング牧師記念碑建設 歴代大統領らとともに

『私には夢がある』
「世の中の偏見に対する支持者を減らすために、不公不義なところに、マーティン・ルーサー・キング与えた賜るよう神に祈る。これこそ彼に対する最善の記念だ。」――連岳的第八大洲より



黒人の人権など公民権運動で偉大な功績を残したマーティン・ルーサー・キング牧師をたたえる記念碑の起工式が13日(現地時間)、米国の首都ワシントン中心部の公園地区で行われた。 同地区に民間の黒人の記念碑が建てられるのは初。米メディアが同日(同)報じた。

式典にはブッシュ米大統領やクリントン元大統領をはじめ5000人が出席。政界、財界の著名人らの姿も多数あった。

記念碑の建つ地区周辺にはトマス・ジェファーソンやアブラハム・リンカーンら米国を象徴する偉人の碑が点在している。来賓らはキング師が米国の歴史を築いた人物の1人に数えられることを誇りに思う、と祝いの言葉を述べた。

メディア各紙によると、記念碑は2008年春に完成の予定。
http://www.christiantoday.co.jp/news.htm?id=727&code=int

I have a dream 全文

God bless you, Mr. Kurt Vonnegut Jr.!

先日友人とのチャットの中で、互いにこの世の中、面白い人間が段々少なくなったなと嘆いた。

詩と文学の話題の中での嘆きなので、面白い人を「面白い作家」に限定しなければならない。

ヘルマン・ヘッセイタロ・カルヴィーノホルヘ・ルイス・ボルヘス、その他の輝かしい名前の数々、流星の如き、悲惨な20世紀の夜空を照らしながら消え去った。

しかし、私には親愛なるカート・ボネガット・ジュニアがいる。

84歳になった今も、11歳から吸い始めたタバコをやめる気はない。そんな彼に、神様はやはり寛大である。83歳になる去年、彼は『国家なき人』(A Man Without a Country)を発表し、97年から止まっていた著作活動を再開した。

思えば、10代最後の頃、世の不条理に憤慨し、人類の愚行を不可解と考え、沢山の矛盾が脳裏を去来する中で、私は幸運にも「スローターハウス5」と出あったのだ。

それまでに読んだ現実批判的な作品とは違い、このオジサンはかなり飛んでいた。彼の人間社会に対する視角は、まさしく俯瞰という表現に相応しい。人間には何も神聖的なものがないのである。人間こそが、常に愚かな挙動を取り、自ら破滅に向かう事さえ有りあえる、不思議な種である。

カート・ボネガット・ジュニアは言う、地獄はなんだって?俺には知っている。なぜって?俺はそこから帰ってきたんだよ。

それは本当のことだった。

彼は1945年2月13日の夜、ドイツの由緒ある文化的な街ドレスデンにいた。連合国の兵士として囚われていた彼は、臨時看守所に使われた、とある屠殺場の地下倉庫に閉じられていた。そして、彼らの頭上の街には、イギリス空軍が投下した焼夷弾が降り注ぎ、街は一夜にして焦土と化した。

135,000もの人の命が、一夜にして失われた。

2005年、彼はこの爆撃を『国家なき人』の中で再び言及した、「あれは軍事的な実験だ。空から焼夷弾をたくさん投下したら、街を消せるかどうかを奴らは試そうとしたのだ。」と。

そんな地獄から来た彼にこそ、説得力を以って、彷徨う私の心を沈静させ、そしてこの世を直面する勇気を与えてくれた。

愚かな人類の中いるからこそ、我々は希望を持って、自分のできるだけの事をし、楽しく生きなければならないのさ。

そんな人生の師とも言えるボネガットに敬意を表したい。

God bless you Mr. Kurt Vonnegut Jr.!

さて、米国では中間選挙でブッシュが大敗を喫している。

2年前に、吾がボネガット師はこれを予言していた。

In These Times誌2004/10/29付けコラムに載っていたこの文書は、彼の世界観を良く表している。「暗いニュースリンク」から引用させて頂く。



『終末は近づいている(The End is Near)』

わたしはこの文章を選挙前に書いているので、ジョージ・W・ブッシュとジョン・F・ケリーのどちらが、私達の新大統領になって...万事うまくいけば...次の4年間を務めることになるのか、知ることが出来ない。北欧系で貴族的な大金持ちであるこれら二人は、言ってみれば双子のようなものであり、大方の人々と違って、少々おかしな白子の双子と呼ばれるのがふさわしい。しかし私にとってはこちらの事実が時宜に適う:両候補共に、現在でもイエール大学の排他的な秘密結社“スカル・アンド・ボーンズ”のメンバーであるという。つまりこういうことだ...どちらが勝利しようが、私達はスカル・アンド・ボーンズ(骸骨と骨)大統領を迎えることになる...地上や海、大気に毒を撒き散らしたおかげで、全ての脊椎動物が...さあお立会い、まさしく骸骨と骨だけに変わり果てようとしている時代にである。

なんと詩的な!

この終末への道のりは何から始まったのか?アダムとイブと禁断のリンゴのことを言う人もいるだろう。私ならむしろ、ギリシャ神話に登場する神々の子で、親たちから火を奪い人類に与えた、タイタン族のプロメテウスを挙げておきたい。神々は怒り狂い、裸のプロメテウスを岩に縛りつけ、背を晒して、集まったハゲワシに内蔵を食べさせた。

今日では、神々のそうした行いが正しかったのは明白である。我々の親類であるゴリラやオラウータン、チンパンジーやテナガザルは、生の野菜を食べながらいつでも元気に暮らしているが、一方で我々は、食べ物を温めるだけでは飽き足らずに、かつては生命維持装置として健全であったこの星を、もっぱら化石燃料をめぐる熱力学的どんちゃん騒ぎのおかげで、わずか200年足らずの間にほとんど破壊し尽くそうとしている。

英国人のマイケル・ファラデーが、力学的エネルギーを電気に変える能力を備えた人類最初の発電機を発明したのは、わずか173年前のことだ。合衆国で最初の、今では空井戸になってしまった油田は、ペンシルバニア州タイタスビルで、エドウィン・L・ドレイクによって発見されたが、それも145年前の話。ドイツ人のカール・ベンツは、人類初の内燃機関駆動の乗り物を開発したが、それもわずか119年前の出来事なのだ。

アメリカ人のライト兄弟は、周知のとおり、人類初の飛行機を発明して飛んだ。101年前のことである。飛行機にはガソリンが必要だった。そろそろあの魅惑的などんちゃん騒ぎの話をしたくなったでしょう?

残念でした。

化石燃料は、あまりにも簡単に燃えてしまう!そう、そしてブッシュとケリーが遊説しているときも、我々は残り少ない燃料のひと吹き、一滴、一塊に次々と点火しているわけだ。全ての灯りは消えようとしている。電気もやがてなくなる。あらゆる形態の移動手段は停止し、地球はやがて骸骨と骨、動かなくなった機械で覆われることになる。

もはや誰も抗うことはできない。ゲームに加わるには遅すぎる。宴を台無しにしてはいけないが、真実に目を向けよう:我々は、空気や水も含めて、まるで明日などないかのように地球の資源を無駄遣いしてきたので、今では本当に明日というものを失いつつある。

さて、ダンスパーティーはもうお終い。でも、お楽しみはこれからなのだ。

注:右にあるのは彼の自画像兼サインである。

11/18/2006

Google Earthをもう一丁

Google Earth Watchingをもう一丁。若しこんな物が中国にあるとしたら、それは何でしょう?







Google Earthのインストールがお済みの方は、下のランドマーク情報をダウンロードし、覗いて見て下さい。場所は中国新疆ウイグル自治区と甘粛省と内モンゴルの境目。
http://www.williamlong.info/google/upload/149_Giant_lines.kml

座標 41° 8'44.50"N 93°20'36.13"E 
の周辺には巨大なサークルが幾つも。
座標 41°10'55.83"N 93°23'25.75"E 
の場所には得体の知れない建造物が。

http://www.williamlong.info/google/archives/149.html

『微笑む兄弟よ』 by 撒韬

続けて微笑みを学習しよう
この世界でもっとも深い言葉を
出あった見知らぬ人を 全て兄弟と見なせよう

紺碧の下で裸麦は金色に輝き
村の入り口の白樺は落日の中
風を以って 柔らかい汗を拭きぬく

夜は松明と休息のもの
若かったら 愛を歌い上げよう
微かに映る山影と伴に

こんな広大な静寂の中
例え先知であっても なにを捧げられよう
怒り 赤い血 全ての無意味な代償
草原に浸み込んで
雨後の馬群の餌になる

飛翔する者も滑走中の者も
耕作する者も洞窟を掘る者も
微笑む兄弟であるべき
一緒に
安らぎの世界で遭遇し
共に座り 道路と橋に立つ風見となる

11/17/2006

Google Earthは見た

人民網の軍事チャンネルにGoogle Earthから取った衛星写真画像が載った。そのタイトルは中国空軍試験基地のGoogle衛星写真。
 
座標分析と他の関連資料から、この基地は甘粛省の鼎新空港だと突き止めた。ここは外電による報道の非常に多い空港でもある。

外電によると、鼎新空港(座標:40°23'56"N,99°46'52"E)は、台湾の清泉崗空軍基地(座標:24°15'40.91"N,120°37'48.47"E)をコピしている。滑走路とその他の施設は、寸法、形が完全に同じように出来ている。精密弾道ミサイルとクラスタ爆弾による攻撃の結果計測用に作られている。。

この画像には、正確な座標と、新鋭機種が載っている。



三段目右よりのその大型機に注目、それは恐らく中国国産のKJ2000哨戒機である。下の図面を参照。



哨戒機は台湾侵攻には不可欠である。関連資料を調べて見ると、試験空港としての鼎新空港にKJ2000が駐留したことは確実にある。この写真は1,2年前に物と推測する。

この機種に関して、今年6月3日に大事件が起こった。同型機が安徽省でテスト飛行中に墜落、搭乗人員全員が死亡、40名以上のトップクラスの研究者が同乗している。それはまさか写真に写っているものではなかろうか。

図面の一番下はロシア製Su-27戦闘機。下記写真参照。



他の空港でも中国が購入した新鋭戦闘機や、自力開発したものも見かけられる。下の蕪湖空軍基地には、6機のSu-30MKKが観察できる。



Su-30MKKの図面を参照。



張家口空港の国産殲11戦闘機。



殲11の図面を参照。



瀋陽飛行機製造工場の殲8IIと殲11戦闘機。



Google Earthから見られる中国の戦闘機は非常に多いので、ご興味のある方はここにてごゆっくり。Google Earth观察军事设施栏目で関連ランドマークをダウンロードできる。

《月光博客》より http://www.williamlong.info/

ご紹介します~。

この人は誰でしょう?ヒント:中国じゃかなりのVIP、とってもエライです~。だから、あっちこっちに色紙やサインを要請されて、もらった人はとってもそれを大事にしています~。



はい、もう一枚どうぞ。



さて、そのの墨宝の数々だ。ゆっくりご鑑賞を。











答えは――はい。そうです。この御仁は、かの毛沢東の孫なのだ。

中国中央テレビのWEBサイトには、彼の個人コーナーがあり、略歴をこんな風に紹介している:

新中国の創造者毛沢東の孫、毛岸青(毛沢東の次男)と邵華の息子。1970年1月17日出生。中国共産党党員、中華全国青年連合会常務委員、北京市西城区政治協商会議委員。

1992年7月中国人民大学歴史学部卒業。1992年9月から1995年7月1992年7月まで、中央党学校理論部にて修士課程を履修、後に中国軍事科学院で博士課程を履修し、2003年7月に博士号を取得。現在中国軍事科学院にて研究を従事。

因みに、この人の研究テーマは「毛沢東の軍事思想」だそうだ。成果の程は詳しく知らないが、最近の彼の発言に、こんなのがある――

「私の長年の研究で分かったのは、第二次大戦中に貢献(何の貢献は言っていない)の大きい国は二つある。一つはソビエトで、もう一つは中国だ。私のお爺の指導の下で、中国人民は八年間の抗戦を行った。統計によれば、中国共産党が率いる八路軍と新四軍および地方の武装と合わせて、150万の日本軍を消滅した。」

――少々常識のある人なら誰でも知っているのは、第二大戦中の中国の指導者は、中華民国大統領である蒋介石なのだ。

彼のお爺は、その時延安の「窯洞」(土倉)の中で、精気を養い、内戦のために実力の温存を図って、対日本軍の戦闘を極力避けるように、前線部隊には命令をしょっちゅう飛ばしていたのだ。

開いた口が塞がらないというのは正にこんな事をいう。

気分転換に、さわやかな青年の写真を2枚。





蒋介石元大統領の二人の曾孫である。蒋友柏と蒋友常、米国で教育を受け、今は二人で台湾で広告会社を経営している。

中国では「字は人なり」というのがあります。ドクター毛新宇の目障りの字を見て、気分が悪くなった方のためにどうぞ、口直しならぬ、目直しだ。台湾を中国歴史上初めての民主化社会に導いた蒋緯国元大統領の筆跡、内容は単なる日常公務についての指示。