11/17/2006

「悪搞」だ、悪フサゲだ

中国には訳の分からない、冗談みたいな彫刻が至るところに見かけられる。そんな彫刻を拾って、ネット上で「悪搞」(チャカ)している人たちがいる。これも一種の言論であり、社会批判なのだ。中国の世相を知る上で、こうした「悪搞」を理解するのはかなり役に立つ。 その幾つかを取り上げてみる事にしよう。



“宪法顶个球”――憲法の頂上にボールが...、「頂」と言うのは動詞で「値する」という意味。「「球」と言うのは「毬」の当て字、つまり英語のBowlが「きんたま」を指す場合と同じ意味合いだ。「顶个球」の中国語の意味は「屁にもならない」、直訳すると「憲法はキンタマだ。」、意味としては「憲法は屁にもならない」ってところかな。この「有名な」彫刻は今も西安にある西北政法大学の図書館の前に聳え立っている。




“科学顶个球,民主连球都不顶”――今度は北京大学のキャンパス、科学の頭文字Sと、民主の頭文字Dと並んでいる。Sの頂上にはボールが、Dの頂上はボールさえないということ。なので、「科学は屁に値するが、民主は屁にもならない」。




“三个代表顶个球”――これはズバリ「三つの代表は屁だ」、正論かもw。台座に「三つの代表」と言う文字が刻まれている。しかも球の上には、星の付いた雲が渦巻いている。全く意味不明...




“读书顶个球”――正解!そうなんですよ。これは「勉強は屁にもならない」というタイトルらしい。大学を卒業しても、仕事がないことを言っている。




“扯蛋”――これは球を引っ張っている様子を表している。中国語で「蛋」はタマの別称、「扯」は引っ張る。「扯蛋」というのは、「ふさげんな!」とか「ばかをいうな!」と言う意味。...煙台の街中に立っているが、なんでこんなもんを?




“二奶要报仇”――「二奶」は中国語で「お妾さん」のこと、この彫刻は皆さんに「復讐するお妾さん」、と名づけられている。 お妾さんを養うのは中国の官僚の間ではかなり流行っていて、往々にしてその汚職問題の暴露はお妾さん問題から発端するとのこと。




“拉面女神”――これは簡単ですな。ズバリ「ラーメンの女神」だ。



“美女裸奔”――「裸の美人ランナー」、台座には「新しい時代へ」、かの江沢民がご満悦の女歌手宋祖英が似たようなタイトルの歌を歌っている。江沢民の指導下の中国の繁栄振りと讃える内容だ。




“劳燕分飞”――「離散する恋人」、ひと昔の中国の大学生にはかなり切ない彫刻だ。卒業すると、国に指定された職に就くため、別れなければいけないのだ。今はというと、折角大学を卒業しても就職難、そんな贅沢さえ言ってられないのだ。



“工人阶级等于0”――嘗て成都の街頭に立つこの彫刻は「労働者は無に等しい」というタイトルが皆に付けられていた。0の上に立っているためだ。




撤去される「労働者」――やはり具合が悪かったらしい...


-to be continue-

0 件のコメント: