11/13/2006

『陰謀のセオリー』

『陰謀のセオリー』はメル・ギブソンとジュリア・ロバーツが共演したハリウッド映画で、国家の持つ情報コントロール手段の恐ろしさを描いている。

GFWはGreat Firewall(巨大な防火壁)の略称で、海外のメディアによる「国家公共网络监控系统」(中国インターネット検閲システム)に対する俗称である。

政府が自国のネットワークに出入りする情報をモニタリングするのは中国だけの話ではなく、例えばアメリカ政府も全ての国民の電子メールをスキャンしている。だが、それは通常、単にデータを記録し、テロなどの防犯に役立てているまでである。

しかし、2003年に完成された「金盾プロジェクト」の一部機能としてのGFWは、海外にある全てのウエブサイトを監視し、中国政府に対して不利な報道や情報を発信するサイトのURL、IPアドレスを完全にシャットアウトしている。

そのもっとも典型的な事例はWikipedia中国語版に対する封鎖だ。2005年10月に、一瞬の内に、中国全域でWikipedia中国語版へのアクセスが中断されたのだ。

丸1年経った今年10月に、その解禁が噂されるようになった。そして先週の金曜日(11月9日)に、噂が現実になったと中国国内のブロガーたちは喜んだ。

残念なことに、解禁は事実だが、中身は素直に喜べないものなのだ。何しろ今回の解禁は、Google.comの検索に対する封鎖と同じくして、都合の悪いコンテンツへのアクセスは封じられているだけではなく、アクセスした後に、ターゲット項目だけではなく、Wikipedia中国語版全体のURLが自動的に置き換えられ、暫くの間、インターネット上から消えているようになるのだ。

こうした情報操作は非常に恣意的であり、その時の政治情勢に左右されることになっている。中国政府が、その時々の状況に応じて、特定の情報を公開するかどうかを決めている。

皮肉な事に、中国インターネットのこうした裏事情を知らない一般国民に対する情報の封鎖は、往々にしてデマを生み出す事になってしまう。

例えば、日中関係の改善に努めるこの次期には、「南京大虐殺」や、「釣魚島」のような項目は、なんとGoogleでは検索できなくなるのだ。しかし、この恰も「日本側に対する配慮」のような措置は、一部のネット初心者と反日青年の間ではとんでもない陰謀説を生んだ。

それはなんと、「Google内部の親日派の誰かが意図的にそれをやっている」、そんなバカな!

因みに、使いやすいという事で、筆者はここBlogspotを選んだが、書き始めて行き成り、先月(10月)の25日から中国国内から通常手段ではアクセスできなくなている。

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