11/03/2006

炭鉱事故多発、そして発禁映画

十月二十八日午前二時三十五分、新疆ウイグル自治区生産建設兵団農六師団102団所属、八一炭鉱で、ガス爆発が発生。目撃者によると、爆発当時は建物が揺れ、地震と思い、外に出たとき、炭鉱の出口から炎が噴出し、約30分経って、もう一回爆発があり、噴出しだ炎がエレベーターの鉄骨を赤く焼き染めた。炭鉱・働者14名が行方不明、現場ではほかの6名の死亡が既に確認されている。--『中国新聞網』

ブログを書き始めて一週間未満の内に、中国ネット上の炭鉱事故が目立つことを再発見、注目してみると、中国では、炭鉱事故は頻発、平均して年間1万人の炭鉱・働者が事故で死亡するとなっており、安全生産がそれまでになく叫ばれていた去年でも、7000人以上の命が失われています。

こうした背景に、第53回のベルリン映画祭で、チャン・イーモウの『英雄/ヒーロー』を打ち破って銀熊賞を受賞した、中・独共同制作の作品『盲井/Blind Shaft』は、中国における炭鉱事故の多発を背景に撮られた社会派映画である。

監督の李揚(リー・ヤン)氏は中国で助監督を経験し、ドイツで映画監督を学び、リアリズムに徹しながら、地中深く炭鉱の底で広げられる人の魂の死闘を描いている。

ある炭鉱町の駅前で、二人の男が、出稼ぎに来た人を狙って詐欺を行う。この二人はそもそも炭鉱夫だが、賃金が薄い上、炭鉱というものの非情さに気づく‐‐鉱夫が事故で死んでも、慰謝料を払えば炭鉱主は無事安泰。

しかし、まさこの慰謝料が彼らを触発した。それまでに彼らは数々の凶行に及び、人を騙しては殺し、事故に偽装して慰謝料を炭鉱主から受け取っていたのだ。

作品は人間の欲望を裸にし、良心を鋭く突き、中国の炭鉱に焦点を絞りながら、経済改革を掲げる中国での人間性の欠落、モラルの低下を冷静且つ痛烈に批判している。

例に漏れずとも言うべきか、この作品も中国国内では発禁処分を食らい、大陸で見るためにはインターネットからのダウンロードしかない羽目になった。

後のインタービューの中で、監督は撮影途中での体験に触れ、ロケ中に幾度も命の危険を感じ、炭鉱主の威嚇を受けることもあれば、撮影終了した数日後に爆発崩落し、死者を出したロケ地もあった。

2003年3月に映画『盲井/Blind Shaft』は、ベルリン映画祭に続いてフランスのドーヴィル・アジア映画祭で最優秀作品賞他5つの賞を受賞。

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