12/11/2006

中国全国婦人連合会の否定は何を意味するのか

先日このブログで、「香港の『明報』の報道によれば、前回の深圳の街頭キャンペーンについて、中国婦人連合会は人権侵害と法律無視として、中国公安部に抗議し、当局は地元担当幹部の責任追及が始まっているところだ。」という一説を引用したが、これはどうも誤報だった。

12月7日、『中国青年報』の取材に対し、連合会責任者は「全国婦人連合会はこの事件に対し態度を表明した事はなく、海外報道は道端のデマに過ぎず、無責任の極みである。当連合会はこれまで意見をしたことはないし、今も意見する積もりがない、公安部に内部抗議云々はなおさらあり得ない。」と、抗議したことをきっぱり否認した上で、抗議そのものの正当性さえ否定しているのである。

抗議が事実であるなら、それは中国の法治観念の進歩であり、自らの法を守る姿勢の表れであるにも係わらず、この否定は一体なにを意味するのであろう。

中国婦人連合会の規程には、「婦人の権益を代表、保護する」の文言が明記されており、今回の場合、その規程は無視されただけではなく、中国婦人連合会は人権侵害を黙視、黙認した上で、深圳公安当局の違法措置に賛同する意志を公にしたのである。

法治がなくして、中国は「大国」への道を歩んでおり、忌々しく思わないほうが無理な話だ。

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